― 朝鮮戦争と代理戦争の時代 ―
1行まとめ
冷戦は朝鮮戦争を通じて武力衝突の段階に入り、米ソは直接対決を避けながら第三世界で代理戦争を展開した。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時代 | 1950年代前半〜 |
| 冷戦段階 | 緊張の激化 |
| 代表的戦争 | 朝鮮戦争 |
| 戦争形態 | 代理戦争 |
| 国際構造 | 二極化の固定化 |
年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1948 | 大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国成立 |
| 1950 | 朝鮮戦争勃発 |
| 1950 | 国連軍の介入 |
| 1950 | 中国人民志願軍参戦 |
| 1953 | 朝鮮戦争休戦協定 |
| 1954 | SEATO結成 |
朝鮮戦争の構図
| 陣営 | 主な国 |
|---|---|
| 北側 | 北朝鮮・中国・ソ連 |
| 南側 | 韓国・アメリカ・国連軍 |
| 特徴 | 米ソ直接交戦は回避 |
冷戦下の戦争の特徴
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 軍事 | 局地戦・限定戦争 |
| 外交 | 勢力圏争い |
| 国連 | 軍事介入の初事例 |
| 核兵器 | 抑止力として存在 |
覚えるべき重要キーワード一覧
- 朝鮮戦争
- 代理戦争
- 38度線
- 国連軍
- 中国人民志願軍
- 冷戦
- 二極化
- 集団安全保障
【詳しい解説】
第二次世界大戦後、冷戦は当初、政治・経済・外交を中心とする緊張関係として進行していた。しかし1950年に勃発した朝鮮戦争によって、冷戦は初めて大規模な武力衝突を伴う段階へと移行した。
朝鮮半島は日本の敗戦後、北緯38度線を境に北をソ連、南をアメリカが占領した。この分断は暫定的な措置であったが、冷戦の進行とともに固定化され、1948年には南に大韓民国、北に朝鮮民主主義人民共和国が成立した。両政権はともに朝鮮半島の統一を掲げ、緊張状態が続いていた。
1950年、北朝鮮軍が38度線を越えて南進し、朝鮮戦争が勃発した。これに対し、アメリカは国連安全保障理事会の決議を通じて国連軍を編成し、韓国を支援した。ソ連はこの時、安保理を欠席していたため拒否権を行使できず、国連軍の介入が実現した。
国連軍は当初劣勢に立たされたが、仁川上陸作戦によって戦況を一変させ、北朝鮮領内へと進撃した。これに対し、中国は自国の安全保障を脅かすものとして参戦し、中国人民志願軍が戦線に投入された。戦争は再び膠着状態となり、激しい消耗戦が続いた。
1953年、朝鮮戦争は休戦協定によって停戦したが、正式な講和条約は結ばれなかった。そのため、朝鮮半島の分断状態は現在に至るまで続いている。この戦争は、冷戦が単なる外交的対立ではなく、実際の戦争を伴う現実的な脅威であることを世界に示した。
朝鮮戦争以降、米ソは核兵器の存在を背景に、全面戦争を避けながら勢力圏を拡大する戦略を取るようになった。これが「代理戦争」であり、アジア・中東・アフリカ・中南米などで内戦や地域紛争が国際対立と結びつくようになった。
この過程で、NATOやSEATOなどの軍事同盟が拡大し、冷戦構造は軍事的にも制度的にも固定化された。朝鮮戦争は、冷戦の性格を決定づけた最初の代理戦争であり、その後の国際関係のモデルとなったのである。
全体のまとめ
朝鮮戦争は冷戦を現実の戦争へと変化させ、代理戦争という新たな対立の形を定着させた。
論述問題
問1
朝鮮戦争が冷戦の性格を変化させた理由を説明せよ。
模範解答
朝鮮戦争は、冷戦が政治的対立にとどまらず、代理戦争として武力衝突を伴う段階に入ったことを示した。米ソは直接交戦を避けつつ、第三地域で軍事介入を行うようになり、冷戦構造が固定化された。
問2
朝鮮戦争において国連が果たした役割について説明せよ。
模範解答
国連は安保理決議に基づき国連軍を編成し、侵略に対する集団安全保障を実行した。これは国連が軍事行動を伴う対応を行った初の事例であり、冷戦下の国際秩序に大きな影響を与えた。


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