― 経済統合と格差の拡大 ―
1行まとめ
冷戦後、世界経済は急速に一体化したが、その一方で国家間・国内の格差という新たな問題が拡大した。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時代 | 1990年代〜現代 |
| 世界構造 | グローバル経済 |
| 中心テーマ | 自由貿易と資本移動 |
| 主体 | 多国籍企業・国際機関 |
| 問題点 | 格差・反グローバル化 |
年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1993 | EU発足 |
| 1995 | WTO設立 |
| 1997 | アジア通貨危機 |
| 2001 | 中国WTO加盟 |
| 2008 | リーマン・ショック |
| 2010年代 | 反グローバル化の台頭 |
グローバル化の進展要因
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 経済 | 自由貿易の拡大 |
| 技術 | IT革命 |
| 金融 | 資本移動の自由化 |
| 政治 | 冷戦終結 |
グローバル化の影響
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 経済成長 | 新興国の発展 |
| 企業 | 多国籍企業の拡大 |
| 社会 | 雇用の流動化 |
| 問題 | 格差拡大 |
覚えるべき重要キーワード一覧
- グローバル化
- 自由貿易
- WTO
- 多国籍企業
- IT革命
- 新興国
- リーマン・ショック
- 反グローバル化
【詳しい解説】
冷戦終結後、世界は政治的分断を失い、経済を中心とした新たな統合の時代へと入った。これが「グローバル化」である。その背景には、冷戦構造の解体による市場経済の世界的拡大と、情報通信技術(IT)の急速な発展があった。
1995年に設立された世界貿易機関(WTO)は、関税引き下げや貿易自由化を推進し、国家間の経済的障壁を大きく低下させた。これにより、企業は国境を越えて活動することが容易になり、多国籍企業が世界経済の中心的存在となった。生産拠点は人件費の安い地域へ移動し、国際分業が急速に進展した。
特に影響が大きかったのが新興国の成長である。2001年に中国がWTOに加盟すると、世界の「工場」として急速な経済成長を遂げ、国際経済における存在感を高めた。インドや東南アジア諸国も、グローバル経済の中で成長を遂げた。
一方で、グローバル化は不安定さも内包していた。1997年のアジア通貨危機は、資本の急激な流入と流出が国家経済に深刻な影響を与えることを示した。さらに2008年のリーマン・ショックでは、アメリカ発の金融危機が瞬時に世界中へ波及し、グローバル経済の相互依存の危険性が明らかとなった。
社会面では、雇用の流動化が進み、先進国では製造業の空洞化が問題となった。高度な技能を持つ層は恩恵を受けた一方、低技能労働者は職を失い、国内格差が拡大した。国家間でも、成長を遂げる国と取り残される国との差が顕著となった。
こうした不満を背景に、2010年代以降、反グローバル化の動きが各国で台頭した。自由貿易や移民の流入に対する反発は、政治の不安定化を招き、グローバル化のあり方そのものが再検討される時代に入っている。
全体のまとめ
グローバル化は世界経済を発展させたが、同時に格差と不安定性という新たな課題を生み出した。
論述問題
問1
冷戦後にグローバル化が急速に進展した理由を説明せよ。
模範解答
冷戦終結によって市場経済が世界的に拡大し、IT革命と自由貿易の進展によって国境を越えた経済活動が容易になったためである。
問2
グローバル化がもたらした問題点を具体例を挙げて説明せよ。
模範解答
資本移動の自由化により金融危機が世界的に波及しやすくなり、また先進国・新興国間や国内での経済格差が拡大した。


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